兵庫慎司のブログ

音楽などのライター、兵庫慎司のブログです。

2015年9月1日(火)フラワーカンパニーズ×斉藤和義「フラカン和義のロックンロール600万ボルト」@川崎クラブチッタを観ました

 最初に所属したマネージメント、シンコー・ミュージックの先輩後輩だった縁で親交が始まり、それぞれがシンコーを離れてもその縁は続き、やがて対バンイベントを始め、何年かにいっぺんのペースで続いてきたのが、この「フラカン和義のロックンロール×万ボルト」。1回目が「100万ボルト」で、今回は6回目なので「600万ボルト」、ゲストはハルカトミユキ。前回は仙台で、それ以来3年半ぶりの開催だ、と転換MCで言っていました。

そう、転換中のつなぎのMCを出演者が行うのです、このイベント。最初の前説をフラカン+斉藤和義、次はフラカン、その次は斉藤和義+ハルカトミユキが務めておられました。ちなみに、これ以前に東京圏でやったのは「300万ボルト」で、2009年3月12日でした(レポはこちら http://ro69.jp/live/detail/18624)。

 

ハルカトミユキ

1 環状七号線

2 ニュートンの林檎

3 肯定する(Acoustic.ver.)

4 世界

5 青い夜更け

 

斉藤和義

1 ずっと好きだった

2 傷口

3 ドント・ウォーリー・ビー・ハッピー

4 攻めていこーぜ!

5 やさしくなりたい

6 Hello! Everybody!

7 ベリーベリーストロング

 

フラワーカンパニーズ

1 マイ・スウィート・ソウル

2 脳内百景

3 消えぞこない

4 ロックンロール

5 東京タワー

6 チェスト

7 恋をしましょう

 

セッション

1 この世は好物だらけだぜ

2 あの高い場所

3 社会生活不適合者

4 深夜高速

5 真冬の盆踊り

6 歩いて帰ろう

 

と、4アクトともいいセットリスト。

ハルカトミユキの1曲目は、フラカントリビュートアルバムに提供した曲。私、久々に観たんですが、すごいライブバンド(バンドじゃないけど)になっていてびびった。すごいテンション、すごい緊張感。フラカンファン的には当然1曲目がいちばんとっつきやすいはずなのに、それ以上に、ハルカとミユキの2人だけでやった“肯定する”のすさまじさの方に、みんな息を呑んで食いついている感じだった。

10月3日(土)に日比谷野音でフリーライブを行うとのことで、その告知をし、終演後にはふたり自ら出口に立ってそのチケット(「約束のチケット」という名前だそうです)を希望者に配っていました。

 

斉藤和義はこのライブの翌日=9/2にリリースのシングル“傷口”“攻めていこーぜ!”の2曲を含む全7曲を、例の「東洋一力の入らない『いえーい』」を曲中や曲間にちりばめつつプレイ。この人のギター、観るたびにどんどんすごくなるなあと改めて思う。歌もだけど。ライブでさんざんやってきた“ずっと好きだった”や“ベリーベリーストロング”と、まだそんなにはやっていないはずのニューシングル2曲の演奏&歌に全然温度差がないのもすごい(つまりバンドもすごいということ)。

なお、メンバー紹介しつつひとりずつMC、のテーマは「歳をとると尿の切れが悪くなる」でした。隅倉弘至(b)がその話をしたら、なんか全員それに乗っかる感じになり、そのような結果に終わりました。

 

フラカンは、ご覧のように後のセッションコーナーのために“深夜高速”と“真冬の盆踊り”を外したセットリストだったが、そしておそらく“深夜高速”の代わりに“東京タワー”を、“真冬の盆踊り”の代わりに“恋をしましょう”を置いたと思われるが、ずっぱまり。特に“消えぞこない”“ロックンロール”“東京タワー”の、同じことを歌っている、そして「明るく歌っている」「淡々と歌っている」「重く歌っている」というグラデーションになっていた中盤が、最高でした。

 

最後のセッションは、頭4曲はフラカン+斉藤和義バンド、最後の2曲でハルカトミユキのふたりと斉藤和義バンド(ベース:隅倉弘至、ギター:フジイケンジ、ドラム:小田原豊、キーボード:高野勲)も加わる。ファンはご存知でしょうが、1曲目は今年1月に出たフラカンのアルバム『Stayin’ Alive』収録曲で、斉藤和義と一緒に作って演奏して歌った曲。2曲目は斉藤和義の4thアルバム『FIRD DOG』(1996年リリース)収録曲で、フラカンが演奏とコーラスで参加。ということで、この『フラカン和義』では毎回やっている、ような気がする。

ちなみに、なぜかこのセッションでは、“真冬の盆踊り”で1回、“歩いて帰ろう”で1回、竹安が歌った。というか、歌わされた。後者はまだよかったが、前者はキーが合わない上に目線が完全に足下(にあると思しきカンペ)に行っていてほぼ歌えておらず、「いくらボーカルじゃないからといっても、何百回もライブでやってきたこの曲の歌詞を覚えてないなんて」と、満員の会場を戦慄させました。

終わったあとに本人にきいたら、「普段は覚えてる! でも(歌詞が)とんだ!」と、おっしゃっていました。

 

なお、このタイミングで、久々に、東京圏でこのイベントをやることに斉藤和義が乗ったのは、12/19のフラカン日本武道館があるからだと思う。あと、スピッツが8/29 Zepp Nambaの『ロックロックこんにちは』と9/3新木場スタジオコーストの『新木場サンセット』に声をかけてくれたのも、同じ理由だと思う。

ただただ、感謝です。私がするのも変ですが。

 

あ、あと、私、現場から「今、トップですばらしいライブをやったハルカトミユキを、転換MCのフラカンが不器用に誉めてるところです」とツイートしたのですが、「不器用に誉めている」というよりも、「ボキャブラリーの乏しさゆえに悪戦苦闘しながら誉めている」と書いた方がより現実に即していたな、と、終わってから思いました。