兵庫慎司のブログ

音楽などのライター、兵庫慎司のブログです。

3/14(月)星野 源ツアー追加公演日本武道館、の帰り道

すんごくいいライブだったんだけど、大阪の追加公演がまだ終わっていないので内容を書いてネタバレしてはいかんだろうな、というのと、帰りに個人的に印象に残ったことがあったので、誰に頼まれたわけでもないが、それを書いておきます。

twitterにも書いたことですが。

 

ライブが終わったあと、小6かな、中1かな、くらいの、坊主が伸びたみたいな頭の男の子がひとりで、物販テントから少し離れた位置に立ち、テントの上に掲示されているグッズをガン見していた。

友達と来た感じでも、親に連れられて、という感じでもない。どうもひとりっぽい。

で、グッズをガン見している。「欲しい!」という感情が顔面いっぱいに出ている。

ただ、グッズ売り場の前まで行ってしまうと買わないわけにはいかない、と思っているのか、距離をとった位置から見ている。雨の中家路へ急ぐ人の群れの中、ひとりだけいつまでも立ち止まって。

 

その姿を見ていたら、なんか泣きそうになってしまった。

で、危うく、「何が欲しい? おっちゃんが買うたろか?」と言いそうになってしまった。

その時間はグッズ売り場、空いてたし、僕も買い物したし、ついでと言ってはとても語弊があるが、マジで声をかけそうになった。

寸前で「いやいやいや、それヤバい奴だろ、俺」と我に返り、なんとか思いとどまったが。

 

・ひとりで来ているっぽい。

・この年齡の男の子で星野 源のファン。

・この歳ならではの「欲しいものがあるけどおカネ的に思うままにならなさ」が手にとるようにわかる。

・なので「欲しい」「でもおカネない」「だけど立ち去りがたい」という葛藤も、わがことのようにわかる。そもそもチケット代だけでも大変だっただろうし。

 

というようなことどもが、私を泣かせそうになり、そして「見知らぬ子になんか買ってあげる」という異常な行動をとらせそうになったのだと思います。

というか、自分にそんな感情があること自体にも、びっくりした。

あの昔の、ショーウィンドーのトランペットを黒人の子供が見ているジャックスカードのCMを思い出しました。

 

以上、書いてはみたものの、「だからなんだよ」「ていうかなんなんだおまえは」以外にリアクションのしようがない話でした。

失礼しました。