兵庫慎司のブログ

音楽などのライター、兵庫慎司のブログです。

盗撮の話

  2017年4月12日夜、飲んだ帰りの神奈川県警警部補が、駅の階段で女子高生のスカートの中を携帯で盗撮して捕まった、という事件。

  これ。

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  今朝(4月13日)、ジョギング中に聴いていた『伊集院光とらじお』のニュースコーナーでこの事件を知った。で、急に思い出した、この本のことを。

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  僕が中学の頃のベストセラー。1981年1月に出ているので、中学に上がる直前に発売されたってことか。

  当時売れに売れたこの本、「盗撮のすすめ」なのです。

スカートの中とか胸元とか、街のこういう場所ではこんなエロい写真が撮れますよ、というのを、モデルを使って実践している。

  あまりにも売れたので、パート2とパート3も出た。3は別のカメラマンだった気がするが。

 

  このカメラマン、確かこのあと石川さゆりと結婚したんじゃなかったっけ。

  と思い出して、調べてみた。正解だった。というか、この馬場憲治という方、もともとホリプロの社員で、フリーライターになってその延長でこの本を出したらしい。で、そのあとタレントっぽくなってテレビとかに出ていた記憶もある。

  高校時代に坂本龍一と共に学生運動をしていた、という記述もウィキにありました。へえー。

 

  自分で持っていたんだか、友達に借りたんだか忘れたが、もちろん僕も読んだ。

  というか、同年代の当時中学生男子で、「読んでない」「知らない」という人を探す方が難しいと思う。

  で、読んだからといって実践する勇気はなかったが、実践した人もいっぱいいただろう。

  この何年かあと、アイドルとかが出るイベントで素人が撮った、胸元やパンチラのセクシーショットを投稿するタイプの雑誌が増えたが、あれのそもそものルーツもこの本だったのかも、という気もする。

 

  これがベストセラーっていうぐらい売れて、その著者がタレント化するくらいメジャーになったってことは、当時これに対して「けしからん」って声は、あったんだろうけど、少なかったってことですよね。

  ほんの十数年前までは道路が駐車中のクルマだらけだったり、道端に自転車を停めておいても平気だったり、それこそ道で普通にタバコが吸えたりする世の中だった、でも今は全部ダメ、というのは、正しいんだけどちょっと息苦しいなあ、と思うことも、なくもない。

  が、この案件に関しては、素直に、昔の日本ってむちゃくちゃだったんだなあと思います。

  当時は自分もなんにも疑問を感じてなかったけど、という事実まで含めて。

 

  だって、これがOKな世の中だったら、田代まさしの最初のつまずきだってスルーされたかもしれないし。

  2000年1月の出来事でした。現場が東横線都立大学駅、という、自分の生活範囲内の駅だったことに驚いたものです。

  で、田代まさし好きだったので、当時所属していたbuzzという音楽雑誌の中のカルチャーコーナーみたいなページで、後輩とふたりで「マーシーを擁護する!」という趣旨の対談を行ったのを、今思い出しました。

  いったい何をどう擁護したのかは憶えていませんが。

  というか、どう擁護すんだよ俺、と、今になると思いますが。