兵庫慎司のブログ

音楽などのライター、兵庫慎司のブログです。

「60分まで無料の駐輪場」の話

  最初の60分とか90分とか120分までは無料、そこからは8時間ごとに100円、というような、料金システムの駐輪場。24時間営業のところや広いところではなく、たとえば「7時から24時まで」というふうに時間が区切られていて、50台以内くらいの小規模で、常駐の管理人もいない、たとえば渋谷マークシティの駐輪場のようなところ、とします。

  まず、オープンと同時に、そこに居座る。で、自転車が入って来る度に、その時刻と駐輪番号をメモし、60分経つ寸前に精算して自転車をいったん出し、またすぐ入れる。という行為を、その日入って来た全部の自転車に対して、クローズの時間までくり返し続けると、その日の駐輪場の売上、0円になる。

 

  ということを実行した場合、罪に問われるのだろうか? また、問われるとしたら、どういう罪状になるのだろうか?

 「駐輪代タダにする屋」として、駐めたみなさんから100円の半額の50円ずつもらうとかしたら罪になるのはわかるが、そういうことはしない、という設定です。

 「60分までタダ」というのは、駐輪場側が定めたルールなわけですよね。で、「60分経つ寸前に出してまたすぐ入れるのはダメ」というルールはないし、「自転車の持ち主が自分で出し入れしなきゃダメ」という縛りもないですよね。

  ということは、仮にこれをやられたとしても、罪に問いようがなくない?

  じゃあ、なんで誰もやらないのか。やる意味がないからですね。前述の「駐輪代タダにする屋」をやったとする。たとえば100人から100円の半額=50円ずつもらったとして5,000円、7時から24時まで働いてその値段、というのは、効率が悪すぎるし。

  つまり、ただおもしろがってそこまでやる奴が現れない限り、ない、ということか。『水曜日のダウンタウン』あたりで、やってくれないかなあ。やらないか。というか、やれないか。いろいろ問題ありすぎて。

 

  もともと、日々の通勤も含め、近場の移動は自転車でするタチだったが、3年半前に会社をやめてフリーのライターになって以降、それに拍車がかかった。

  たとえば、僕の家から恵比寿や目黒に行く場合、電車だと東急田園都市線とJR山手線を乗り継がねばならないが、自転車ならピューッとあっという間、というように、自転車移動の方が圧倒的に楽な場合が多いのが、主な理由。あと、「フリーは交通費が出ない」というのも大きい。

  ただ、今の東京は、そのへんの道端に気軽に自転車を駐めておくことができない街になっている。よって、渋谷はここ、新宿はここ、六本木ならここで青山一丁目はここ、ここはいつも満車、ここはこの時間なら空く、というふうに、仕事でよく行く街の駐輪場事情に詳しくなっていた、気がついたら。

  で、そうやって日々「駐めて払って出す」生活を続けていると、最初に書いたようなことを考えたりするようにもなるのだった。

 

  すみません、ただそれだけの話です。それに、もし仮にどこかで誰かがこれをやったら、あっという間に「禁止」「罰金」というルールが敷かれるだろうなあ、とも思います。

  あと、三軒茶屋や下北沢などの駅のそばにある、世田谷区営の駐輪場。1日何時間でも100円、自分で駐輪券を買って自転車に付けるシステムなのだが、シルバーセンターから派遣されて来ている(んだと思う)定年後の爺さんたち、どの人もやたらとちゃんと仕事していて、「そこまでしなくても」と思うほど丁寧かつ親切で、いつも恐縮します。

  しかし。下北沢の区営駐輪場、爺さんは19時になると帰るので、それ以降に行けば朝までタダで駐められる。でも僕が行くのはたいてい19時開演のライブか芝居目当てなので、19時10分前とか5分前とかに入らざるを得ないのです。

  ああ、下北沢のすべての興行が、19時半開演になればいいのに。そしたらタダですむのに。と、いつも思いながら、券売機に100円入れています。

  みみっちい。