兵庫慎司のブログ

音楽などのライター、兵庫慎司のブログです。

『相席食堂』奥田民生&手島いさむ登場回がめちゃくちゃおもしろかった

  好評につき、日曜深夜から火曜の『ナイトinナイト』枠(あの『探偵! ナイトスクープ』を筆頭に人気番組が並ぶ23:22からの枠)に引っ越し、番組の尺も25分から60分になった大阪ABC朝日放送の千鳥の番組『相席食堂』。

  その移動して一発目の4月2日の放送、ゲスト:ユニコーン奥田民生手島いさむの回が、すんげえおもしろかった。テレビを観てこんなに声を出して笑ったの、久々な気がします。

 

  まず奥田民生が出てきた瞬間に、ノブが「ちょっと待てぃ!」ボタンを押して「民生じゃあ! ほんまの大物呼んでどうすんじゃ!」。民生「出していただけるものなら出たい、というお願いを、こちらからしたと思うんです」。

  「ユニコーンの結成の秘密に迫るドキュメンタリー」ということで、OTがバイトしていたスタジオ、SUZUYAがあったあたりのエリアからスタート。最初に、そのSUZUYAのすぐそばの楽器店のマルヤ(昭和の広島の中高生は、バンドを始める時まずここに来た)に立ち寄ると、手島いさむが待っていて、そこからふたりでの行動になる。

  そのSUZUYAのオーナーの、かったんこと片山さんが、別の場所にオープンして現在も営業しているスタジオ、5150に行き、その3人で、民生がユニコーンの前にやっていたバンド(ギターはかったん)、READYが唯一作った1985年の6曲入カセットテープ『TO THE SECOND TO THE STAR』の1曲目“KEEP ON HONEY”をちょっと聴く。テッシーと川西さんがやっていたThe Stripperの「ONE NIGHT BOOGIE SHOW」も、ちょっと聴く。

  そのあと通りすがりのお好み焼き屋に入り、ユニコーンのファンクラブに入っているという、その店の奥さんと相席成立。ポン菓子のお店に立ち寄ったり、OTの同級生が営んでいるお好み焼き屋に行ったり、テッシーと川西さんでOTを口説いたライブハウス、ウッディ・ストリートの楽屋口(の跡地)に行ってみたり、出演したことがある広島県民文化センターの脇を通って、よく通っていた木定楽器店に行って、お店の大石さん(この方も昔からの知り合い)に会い、テッシーが74万円のレスポールを試奏する──。

 

  キモはふたつ。まず、OTひとりでなく、テッシーが一緒だったことが、功を奏しまくっていた。『UC100V』のプロモーションで、大阪や広島などをこのふたりで回った時に撮影したからだろうが、千鳥のふたり、テッシーをおいしくしてくれることくれること。

  マルヤでギターを買えと勧められ、「Suicaしかないんよ」と答えたあたりからエンディングまで「ちょっと待てぃ!」だらけ。後半には「さっきからテッシーでしか止めてないんよ」。

  テッシーもOTも途中でロケに飽きる(大悟「テッシーが機能してない。ただお好みを食っとるだけ」)→後半でテッシーが生き返る、という街ロケに不慣れなふたりの行動を、ノブ&大悟が逐一拾っていくさま、大爆笑だった。

  ただ、ノブ&大悟の「拾い技」がないと生まれ得ない笑いだらけだった、とも言える。改めてふたりの腕のすごさに唸りました。いや、この番組いつもそうだけど、普段は仲間の芸人とかがゲストのことが多いので、ここまで「拾い技」をフル回転させなくても成立している、と思う。

 

  あともうひとつ。これは特に、この番組のファンというよりもユニコーンのファンとしての視点からです。

  SUZUYAもマルヤも5150もREADYのテープも、過去いろんなメディアで紹介されてきたので、ファンはみなさんご存じだと思うが、問題はREADYのテープ。あのジャケは何度も紹介されているけど、実際にその収録曲が電波に乗って流れたこと、これまであったっけ? もしなかったとしたら、これ、すんごいレアな機会だったんじゃないか? という。

  一回解散した時に出た『THE RUST OF UNICORN VIDEO Vol.1・Vol.2』とかに、ちょっとでも入ってたっけ……入ってなかった気がする。ご存知の方がいらっしゃったら、教えてください。

 

  最後に余談。テッシー、お好み焼きを皿に取って箸で食べるのね、ということを、この番組で初めて知りました。広島の人はコテを使って、鉄板から直接食うのがデフォルトなのです。OTはそうしてました。

 

  もうひとつ余談。これまでいろんなところで自分でも飽きるほどこすりまくった話ですが、私、高校生の頃、SUZUYA・READY・ウッディストリート・マルヤ・木定楽器といった、広島バンドシーンにずっぽり浸かっており、SUZUYAに用もなくたむろし、OTはじめ先輩バンドマンたちのパシリ的な具合になりながら、青春を謳歌していました。

  で、READYの『TO THE SECOND TO THE STAR』、レコーディングから完成までの作業をすべてSUZUYAでやっていたので、カセットのダビングとか、中に入れる歌詞カードのコピーを切って畳んで折り畳んだりする作業とかを、手伝いました。で、完成したものを、500円で買いました。

  その時はなんにも感じなかったけど、大人になってから「あれ? くれてもよかったんじゃない?」と、思いました。

  今でも持っています。