2020年2月26日以降の日記(3月31日まで)
2020年2月26日、政府が新型コロナウィルス感染予防のため、コンサート等の自粛要請を出して以降の、自分の状況について、何か記録しておいた方がいいのではないか。
と思ったので、以下、日記的なものを書いておくことにしました。
2月26日(水)
この日の昼過ぎに、安倍首相が会見、自粛要請。Perfumeは、前日とこの日で東京ドーム2デイズだったが、これを受けて2日目は急遽中止になった。僕が足を運ぶ予定だった、the shes gone(ゲスト:osage) @渋谷WWW-Xは行われたが、この日は全8本のツアーの3本目。終演後にスタッフと話して、4本目以降は開催が難しいであろう、と判断していることを知る。
2月27日(木)
朝、ジムに行く。その後、28日(金)に入っていた、某アーティストの、ライブのパブリシティのためのインタビュー、そのライブの中止が決まったのでインタビューもキャンセル、という連絡が入る。土日に行く予定だった地球三兄弟 @ ビルボードライブ東京も、中止が発表される。金曜に行くことにしていたsyrup16g @ 新木場スタジオコーストは、翌日の29日も合わせて、無観客で生配信されることがアナウンスされた。
夕方、近所の銭湯。夜は映画『1917』を観に行く。映画館で何度も声をあげそうになるほどおもしろかった。
2月28(金)・29日(土)
syrup16g無観客生配信ライブの現場に、そのレポを書く、という仕事で行く。
3月1日(日)
syrup16gのライブレポを書いて納品する。後日、UKプロジェクトのサイトにアップされた。こちらです。http://ukproject.com/column/2020/03/19005/
3月2日(月)
朝、ジムに行く。この週、インタビュー仕事は5本入っていたのだが、そのうち2本からキャンセルの連絡あり。1本はライブ関係、1本はイベント関係。とりあえず家で原稿仕事をする。
3月3日(火)
コワーキングスペースがあって長居できる名サウナ、スカイスパ横浜に朝から行って、サウナに入って、仕事して、またサウナに……という、タナカカツキ先生の仕事のしかたを真似した日。まあまあはかどったような気がする。
夜は、マンガ家のハロルド作石さん、ライブカメラマンの岸田哲平、という、最近なんか定期的に集っている3人で、下北沢で飲む。作石さんは通常運転だけど俺と哲平は仕事ないっすよお、みたいな話をしつつ2軒。と、書いて今思ったけど、この頃はまだのんきでした。
3月4日(水)
家で原稿仕事、そのあと散髪、夜はCINRA.NETのフラワーカンパニーズのインタビュー。朝、美容師から「前のお客さん、コロナが怖いってキャンセルになったから、ちょっと早く来れません?」とLineがあった。
あ、フラカンのインタビューはこちらです。https://www.cinra.net/interview/202004-flowercompanyz_yzwtk
3月5日(木)
朝、ジムに行く。その後は家で原稿仕事、夜は映画『ミッドサマー』を観に行く、という予定だったのだが、フラカンが今日の23:00から新代田FEVERで無観客生配信ライブをやることをツイッターで知ってびっくり。教えてくれればいいじゃないか、昨日会ってるんだから。とりあえず映画を観終わって、急いで帰って配信に間に合う。
あ、『ミッドサマー』、めちゃめちゃおもしろかったです。人が窮地に陥っている時に真摯に手を差し伸べない人間は地獄に落ちる、というか落ちろ! という映画だと受け取りました。背筋が震えました、地獄に落ちる側として。
3月6日(金)
インタビューが2本。1本目はROLLING STONE JAPANのウェブにアップされたフルカワユタカのインタビュー。彼の話から、今年は47都道府県ツアーを組んでいることを知るが、こんな状況なので彼も複雑だし、こっちも複雑。記事はこちらです。https://rollingstonejapan.com/articles/detail/33543
3月7日(土)・8日(日)
土日ともライブがないのは、いつ以来だろう。ちょっと原稿仕事したり、食ったり飲んだり買い物したりして過ごす。
3月9日(月)
朝ジムに行った後は、家で原稿仕事。3月2日にキャンセルの連絡があったインタビュー2本のうち、1本の振替スケジュールが出ました、とメールあり。
3月3日に飲んだ時に、岸田哲平に勧められた、スティーヴン・ソダーバーグのパンデミック映画『コンテイジョン』(2011年)をNetflixで観て、ビビりまくる。というのをきっかけに、早朝とか深夜とかにNetflixの沼にズブズブはまる日々が、久々に始まる。
3月10日(火)
家でぐずぐず原稿仕事。夕方、近所の銭湯。夜は友人と吉祥寺で飲む。
3月11日(水)
朝ジム、昼から家で原稿仕事、夕方に高井戸の「美しの湯」まで遠征、夜はフラワーカンパニーズとYOKOLOCO BANDの新代田FEVERからの無観客生配信に行って、現場で観る。終わってそのままFEVERで出演者&スタッフと飲む。
この日の2週間後、知り合いの編集者がくれた仕事の依頼のメールの最後に「この間、美しの湯にいました? 僕、近くに住んでて、よく行くんです。兵庫さんかなと思ったけど声かけられなくて」。「はい、私です」と返信。
3月12日(木)
朝から三池崇史監督の『初恋』を観に行く。三池作品最高傑作では?(あんなにいっぱい撮っている中でも) と言いたくなるほどすばらしくて、とても興奮する。それを抑えつつ夜まで家で原稿仕事。
3月13日(金)
朝はジム、夜は行く予定だった宮本浩次ツアー初日@市川市文化会館が延期になったので、月イチぐらいのペースで飲んでいる作家の燃え殻と渋谷で酒。いつもの1軒目、そしていつもの2軒目、終了、が常なのに、変に酔っぱらいすぎたせいか、強引に3軒目に付き合わせる。翌朝反省する。
あ、昼は、御茶ノ水駅から徒歩5分のKANDA らくスパ1010まで行った。江戸遊が両国に移転した後のビルにオープンした銭湯で、気になっていたのでした。って、なんかやたらサウナ行ってるな、この週。ストレスを感じ始めた時期だったのかもしれません。
3月14日(土)・15日(日)
土曜はPOLYSICS @ リキッドルーム、日曜はクリープハイプ @ 幕張メッセの予定だったが、どちらもなくなる。飲んだり食ったりウロウロしたり、ちょっと原稿仕事したりしてすごす。
3月16日(月)
朝、受信トレイを開くと、9日に振替スケジュールの連絡があったインタビュー仕事、そのイベント自体の中止が決まったのでパブリシティもなくなりました、というメールが届いていた。昼にジムに行き、原稿仕事のあと、夕方に近所の銭湯、夜は渋谷で飲み会。
幹事の行きつけの店で、僕は初めて行ったんだけど、店主曰く、お客が来なくて本当にピンチ、とのこと。で、そのピンチへの対応策として、普段やっていない「3000円でドリンク飲み放題」コースが設定されており、つい飲みすぎる。
3月17日(火)
朝から夕方まで原稿仕事、夜は9mm Parabellum Bullet @ SHIBUYA LINE CUBEの予定だったが、キャンセル。というのを見越したスタッフに「ヒマになってたら来ません?」と誘われ、UKプロジェクトが行っている新人イベントを観にZher the ZOO YOYOGIに行く。Peanut butters、YUMEGIWA GIRL FRIEND、Ezoshika Gourmet Club、という、若い3バンドを観た。とても新鮮。
3月18日(水)
朝原稿仕事、昼からジムと近所の銭湯、夕方からフラワーカンパニーズのファンクラブ会報のインタビュー。そうか、この月、三回もフラカンに会ったのか。それ以降は会っていません。あ、圭介にはばったり会ったか。後述します。
3月19日(木)
昼すぎまで原稿仕事、そして「家からランニングでちょっと遠くのジムまで行って、筋トレして、そのへんで銭湯に入って、電車で帰って来る」というプランを実行する。家→エニタイムフィットネス下高井戸店→老人でごった返す月見湯温泉という銭湯→世田谷線で三茶まで帰って来る、という。
こうして書いてみると、「何やっとんじゃ俺は」と思いますね。やっぱりストレスなのか、2日続けて銭湯に行ってるし。ただ、月見湯温泉は大当たりだった。そりゃ混むわ。近所だったら間違いなく通い詰めるハイレベル。
で、夜はBase Ball BearとKANA-BOON @ ZEPP TOKYOの予定だったが、なくなったので、映画『ジュディ』を観に行く。おそろしくいい作品。
3月20日(金・祝)
三連休の1日目。本来は幕張メッセの『ビクターロック祭り』のオフィシャルレポ仕事が入っていたのだが、まずそれが中止でキャンセルになり、ならばフラカンのツアー @ 横浜F.A.D.に行こうと思ったが、それも延期。なすすべもなく三茶とかをウロウロする。
3月21日(土)
この日も原稿仕事以外予定なし。三茶や下馬をウロウロする。
3月22日(日)
朝ジム、昼は下北沢をウロウロ、夜は、17日にZher the ZOO YOYOGIに行った時、22日のナックルチワワのイベントに日本マドンナが出ることを知ったので、久々に観に行った。すんげえよかった。これぞパンク・ロック。何か、勇気とか、生きる活力とかをいただいた気がした。特に「自称評論家」という曲がさえていた。
3月23日(月)
大した文字量じゃないのに調べ物とかでやたら時間がかかる某レギュラー原稿を、うんうん唸りながら書いて、夜はジム。
仕事の都合で週末しかゆっくり酒を飲めない友人がいて、僕は週末はたいていライブなので、いつも全然予定が合わないのだが、「さすがに週末ヒマなんじゃない?」とLineが来る。28日の土曜日に飲む約束をする。
3月24日(火)
渋谷ではやっていないので、有楽町まで、映画『三島由紀夫vs東大全共闘』を観に行く。平日昼間のわりに、けっこう混んでいる。火曜日はシネマイレージデイで1400円だからかな、と思ったが、それ以前に「シニア割引」で1,200円で観られるお客がほとんどであることに、気がつく。大丈夫なのかこれ、こんなに60代70代が集まって。と思いながら席を探していたら、肩を叩かれた。
フラカン圭介だった。何もここで出くわさなくても。そういえば、1年ぐらい前だっけ、同じく平日昼間に、中野ブロードウェイで行われた『鴨川つばめ展』に行ったら、グレートマエカワと出くわしたこともあります。
その足で、自分的には都内サウナ最高の贅沢(料金が)=新橋のアスティルでリフレッシュ2時間コース。で、夜は佐野元春のZEPP YOKOHAMAの予定だったが、なくなったので、獣医をしている友人と新橋で飲む。で、獣医ならではの、新型コロナウィルスについての話をきく。
3月25日(水)
朝はジム、昼は某バンドのインタビュー。今のところ、これが最後に行ったインタビュー。夜は突然少年とクリトリック・リスの3日間で東名阪を回るツアーのファイナル @ 下北沢シェルター。同じく、今のところ、これが最後に観た通常のライブ。どちらもすばらしかった。泣けた、何か。
20時から小池都知事が記者会見を行い、週末・夜間の外出自粛等を呼びかけたことを、ライブが終わってから知る。これを受けて、TOHOシネマズや109シネマズなど、多くの映画館が土日は休業することを発表。
3月26日(木)
朝から入っていた某ミーティング仕事は、とうにキャンセルになっており、夜に行こうと思っていた代官山UNITでの角田光代×鴻上尚史の出版記念イベント(フラカン圭介も出演)も、延期になった。
昨日の都知事の会見で、ジムに行くのはまずいかも、と思い始める。なお、28日に飲むことになった友人から「やめとこう」と連絡があり、同意。
3月27日(金)
近所に買い物に行ったほかは、ずっと家。締切がはるか先の、ロングスパンのインタビュー仕事の起こし、こういう時にこそ進めようとするも、あんまりはかどらず。夕方、近所の銭湯。ジムは、がまんする。
3月28日(土)
ヤバイTシャツ屋さんの伊勢志摩スペイン村パルケエスパーニャ2デイズの1日目を観に行きたいな、と思っていたが、まずそれが中止。ならばcinema staffの人見記念講堂に行こうと思ったが、これも延期。
という時に、『聴志動感』のライブレポの依頼あり。これは、大阪のライブ制作者たちが立ち上げた無観客生配信投げ銭制ライブイベントで、この日と翌日の29日(日)に開催。喜んで引き受けた。で、この日は、Anly、Rin音、坂口有望、MOROHA、Hump Back の5アクトを観た。
3月29日(日)
当初は、この日は、Saucy Dogの人見記念講堂に行く予定でした。というわけで、前日に続き『聴志動感』。SCANDAL、ヒグチアイ、クレナズム、ズーカラデル、Rei、ハルカミライの6アクトを観る。あ、これ、「観る」と言っても、あのスタジオの中で、直で観たわけではありません。現場には行きましたが、スタジオの外で、画面で観ました。
3月30日(月)
散髪とか病院とか買い物とか。夕方、ジムをがまんしているのが臨界点に達し、とりあえずランニングだけでも、と、近所を走る。
なお、4月2日(木)に、「大人数の座談会の司会をしてテキストにまとめる。最初は会議室で始め、そのあと飲み屋で続きをやる」という仕事が入っていたのだが、先週の段階で「飲み屋はカットして会議室だけにします」と連絡があった。そしてこの日、「座談会自体を延期にします」というメールが。これで、今後のインタビュー・取材等の仕事の予定、ゼロになった。
あと、この日、志村けんの訃報あり。ショックを受ける。という件も引き金になったのか、さまざまな真偽が確かじゃない新型コロナウィルスに関する情報が目に入ってくる頻度が、ぐっと増える。友人知人からLineで届いたり、ネットで見つけたり。3・11の後と同じ感じがする、と誰かが言っていたが、それを身をもって味わう。
あと、#SaveOurSpace(新型コロナウィルス感染拡大防止のための文化施設閉鎖に向けた助成金交付案)のことを知り、署名する。その発起人のひとりであるスガナミユウ、存在は以前から知っていたけど、THE BACK HORN菅波栄純の弟だということは知らなかった。山田将司のツイートで知って、「え、そうなのか! 言われてみれば、確かに似てる!」と、びっくりしました。あ、面識はありません。
3月31日(火)
夕方から吉祥寺で友人と飲む予定だったが、「やめておこう」ということになる。朝から仕事部屋の片付けをしていたら、「今のこの状況、記録しといた方がいいんじゃないか」という思いがどんどん強くなって、この日記をここまで書く。あとで「あの時書いて記録を残しておけばよかった」と後悔したことが、3・11の時だけじゃなく、これまでの人生で何度かあったことを、思い出したので。
夕方、「政府・自民党が、イベントを中止した事業者の資金繰り対策として、チケットの払い戻しを求めなかった人に税制上の優遇措置を講じ、事業者が手元に資金を残せるよう支援する方向で調整に入った」というニュースを知る。心底アタマにくる。意地でも補償はしたくない、でも「なんかやってあげた」感は出したい、ということだろうけど、よく考えついたなこんな「客に責任をかぶせる」方法。最悪。
22時過ぎ、宮藤官九郎の新型コロナウィルス感染を知って、びっくりする。自分が面識のある人では初めて、ということも含めて。昨日のTBSラジオ『ACTION』を、腎盂炎で休んでいて、代打で来た伊勢志摩のしゃべりがあまりに見事だったので、聴いてわははと笑っていたんだけど、そんな場合じゃなかった。『ウーマンリブ』の初日が4月2日から14日に延期された後の発覚。うー。本人のコメントによると、症状は大したことなさそうなのだけが救い。
また何日か経ったら、続きを書くと思います。