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兵庫慎司のブログ

音楽などのライター、兵庫慎司のブログです。

名刺のこと

  回転式名刺ホルダーがいっぱいになる。で、数を減らすために、名刺を整理しようとするたびに、

 

①現在仕事で付き合いのある人は、普段からメールでやりとりしているので、名刺を取っておく必要がない。

②付き合いがなくなった人は、今後も連絡を取り合うことはないから、名刺を取っておく必要がない。

③じゃあ名刺を取っておくべきなのは、今は疎遠になっていてメール等でやりとりもしてないけど、今後もしかしたらまた連絡を取るかも、という人だけ。ってことか?

 

  と、迷った挙句、「疎遠な人の名刺を取っておくのに、付き合いがある人の名刺を捨てるのはヘンだ」とか思って、②だけ捨て、①も③も取っておくことになる。

  なので、名刺、あんまり減らない。

 

  ということを、数ヵ月おきにくり返している。

  そして、名刺という習慣、なんで今もなくならないんだろう? と考える。

  先に書いたように、一度メールでやり取りすれば当然メアドの記録は残るし、多くの場合、メールを送ってきた人の住所や電話番号も文末に入っている。だから、名刺を保存しておく必要はない。

  仕事ではあんまりやらないけど、twitterのDMで連絡を取ることもあるし、作ってほったらかしだけどFACEBOOKのページもあるし。

 

  でも、初対面のあいさつをする時は、確かに名刺って便利だから、じゃあ、その時のためだけの道具と割りきって、一度メールを交換し終わったら捨てればいいのか。

  という結論に辿り着くんだけど、そう割り切れなくて、結局、捨てられないのだった。

  「普段電話でしかやり取りしないけど、たまーに住所が必要になる」みたいな人も、ごくわずかだけど、いるし。

 

  にしても、メールやネットがなかった時代の方が、1年に1回とか決めて、豪快にガサッと名刺を処分していた気がする。便利になった分ややこしくもなったということだ。というのは、結論が凡庸すぎて、自分でもちょっとどうかと思うが。

 

  そういえば、最近知り合って月にいっぺんぐらい飲みに行くようになった、本業は会社員・副業で文筆、という知人がいるんだけど、彼は名刺は会社員のほうしか持っていない。で、いつまで経ってもその名刺をくれない。

  なので、3回目ぐらいで「名刺くれればいいじゃん!」とか言って半ば無理矢理もらった。

  でも、それまで彼とはTwitterのDMでやり取りしていたし、その中で携帯番号も交換していたので、名刺、もしもらう必要があったとしたら、たとえば「彼が僕の目の前でクルマに跳ね飛ばされたので、救急車を呼んだあと、彼の会社に連絡を入れる」みたいな緊急時くらいなのだった。

  そうか。あげる必要がなかったから、なかなかくれなかったのか。

 

  それから、レアな名刺というのもあります。

  相手が有名人だったり、有名人になって名刺を持たなくなったけど、昔は持っていたり。

  後者の例でいうと、現THE STARBEMS日高央のサラリーマン時代の名刺、彼がBEAT CRUSADERSでメジャー・ブレイクしたしばらくあとまで持っていたんだけど、そのあとどこかへなくしてしまったのが、いまだに惜しいです。

 

   あと、亡くなった方の名刺って、なんか捨てられないですよね。

8/10(水)渋谷クラブクアトロ、アナログフィッシュ『Natsufish』ツアーのセットリストなど

  アナログフィッシュが毎年夏に行っている恒例ライブ『Natsufish』、去年まで東京だけだったが今年は東名阪で開催、そのファイナル。

  で、今年は渋谷のライブに関しては、事前にファンからオーダーを募って、その投票上位5曲を必ず演奏します、という企画あり。

  公式サイトに「どんなにレア曲でも構いません」という記述があったが、見事にそのとおりになり、下岡晃、「また見事にやりづらい曲ばかりを……」とMCで漏らしておられました。みんな笑っていました。

  というわけで、以下のようなセットリストでした。

 

1.PHASE

2.F.I.T.

3.こうずはかわらない

4.No Rain(No Rainbow)

5.LOW

6.Will

7.ロックンロール

8.TOWN

9.No Way

10.Good bye Girlfriend

11.Ring

12.Tired

13.Iwashi

14.ジョイナー

15.マテンロー

16.Life goes on

17.Light Bright

18.最近のぼくら

19.There She Goes(La La La)

20.アンセム

21.Fine

22.Hybrid

23.抱きしめて

 

アンコール

24.行くのさ

 

アンコール2

25.出かけた

26.Nightfever

 

  6月25日新代田FEVERのトリプルファイヤーとの対バン、「電気グルーヴの映画のDVD/Blu-rayの購入者特典、大根仁監督×砂原良徳のトークショー@代官山蔦屋書店の司会」という仕事が入って行けなかったもんで(トリプルファイヤーも観たかった)、今回とても楽しみにしていたのですが、しかし。

  18時に終わるはずの某インタビューが18:45に終わるという事態になり(理由は先方の遅刻。アーティストは責めないがマネージャーは責めたい気持ちです)、頭3曲、観れませんでした。

  クアトロに着いたら、よりによって超大好きな「No Rain(No Rainbow)」がもう始まっちゃっていて、寄った居酒屋が値段の割に酷いもんだったあたりでホールのドアを開けました。ああもう。なんで前半にやるかなあこんな最新のキラーチューンを。遅れる方が悪いが。

 

  で、それ以降は、過去のレア曲なんかもいっぱい聴けて満喫したんだけど、とても楽しかったんだけど、あれいつだっけ、ちょっと前にもレア曲いっぱいやるライブありましたよね。佐々木健太郎がまさかの「スピード」を歌ったりしたやつ。

   あの時も、今回も、観終わった時に「レアですげえ楽しかったけど、次は普通に今の曲をやるアナログフィッシュを観たいな」と、思ってしまうのだ。

  セトリの中で、レアな曲を聴けるのはもちろんうれしいんだけど、ライブでさんざん聴き慣れている最近の曲の方が、それでもうれしいというか。「きたあ!」ってなるというか。

  二度目のアンコールで「出かけた」を下岡晃が歌った時、ああ、これやっぱいい曲だなあ、聴けてよかったなあ、と思ったが、その次に「Nightfever」がプレイされた時、「うわ、やっぱこっちの方がすげえわ!」って興奮してしまうような。

 

  要は、昔のアナログフィッシュがよくないわけじゃないけど、今があまりにもよいのでそう感じてしまう、というだけの話なんですが。

  で、アナログフィッシュ、自分たちでもそう判断しているから、普段は昔の曲をあんまりやらないバンドになっていて、それだとちょっとナンなのでたまにはこういうライブもやりましょう、という趣旨なわけなので、このライブを観てそんなことを感じること自体が、「だったら観に来るな」という話なんですが。

  でも本当に、今のアナログフィッシュっていいんだなあ、よくなり続けているし大きく変化し続けているんだなあ、と、改めて痛感した。

 

  あと2点。

  まず、お客さんたちの温度、なぜかとても高かった。終演後に本人たちにきいたら、以前と顔ぶれが変わってる感じはしなかった、でも確かに温度が高く感じた、おかげでやりやすかったし、いいライブにできた、みたいなことを言っていた。最近ファンの温度が上がっている、ということなんだろうか。

  そして佐々木健太郎、おそろしく声が出ていた。ちょっとびっくりするくらい。

  もともとでかくてよく通る声だが、さらにでかくて、さらにめちゃめちゃ通る強い歌になりつつある、そういう上昇カーブを描いている。年齢を考えると、そろそろノドが衰え始めたりしそうなもんなのに。なんなんだ。

  あと、テンション上がりすぎて、MCのたびに興奮して何言ってんだかわけわかんないことになっていて、そのさまを見て下岡晃&斉藤州一郎が笑っている感じも、なんかよかったです。

スピッツとユニコーンと石野卓球のニューアルバム、そしてサニーデイ・サービス『DANCE TO YOU』について

  先々週スピッツ、先週石野卓球サニーデイ・サービス、今週はユニコーン、と、うれしいニューアルバムだらけでリピートして聴くのが忙しい、中年邦楽ロックファンあるある。

 

  と、8月9日にツイートした。スピッツ『醒めない』が7/27、石野卓球『LUNATIQUE』とサニーデイ・サービス『DANCE TO YOU』が8/3、そしてユニコーン『ゅ 13-14』が8/10、と、すばらしいアルバムがどんどん出たことについて、そう書いたのだった。

 

  で。スピッツは、エンタメステーションにアルバム・レビューを書いた。

entertainmentstation.jp

   ユニコーンは、週刊SPA! とRO69とリアルサウンドにアルバムレビューを書いたし、CREAタワーレコードのフリーペーパー、DI:GA、DI:GA onlineでインタビューをした。

ro69.jp

realsound.jp

digaonline.jp

 

  石野卓球は、レビューとかは書いていないが、日刊SPA! でインタビューをした。

 

nikkan-spa.jp

  内容が内容なだけに、いわゆる「めちゃくちゃバズった」みたいなことになったようです。

  SPA! 編集部の担当から、お礼のメールが来ました。

  「編集長からも『ぜひ今後もこういったインタビューをお願いします』と、ことづてを受け取りました」

  だそうです。

  すみません、これをしょっちゅうやるのは無理です、あらゆる意味で。

 

  で。サニーデイ・サービスに関しては、ROCKIN’ON JAPAN10月号で曽我部恵一にインタビューしたんだけど、それ以外では、特に書いていなかったのだった。

  ということに、今気づいた。

  あ、JAPANのその号の告知、こちらです。

www.rockinon.co.jp

  このインタビュー、曽我部、かなり踏み込んだ話をしてくれています。

  曰く、サニーデイなんてもう終わってると。もっと若くていいバンドいっぱい出てきてるんだから、みんなそういうのを聴けばいいじゃんと。懐メロとして存在していくならわかるけど、新しいアルバム作る意味なんてあるの? と。

  という、己に対する疑問に打ち勝つために、長い時間かけて、さんざん曲を作ってはボツにして、レコーディング予算的にも破綻しながら作り上げた、と、そういう話です。

 そのためだけに、じゃないだろうけど、そういう要素もあったんじゃないかと思う、と。

  ぜひ読んでいただけるとうれしいです。

 

  で、それはそれとして、このサニーデイ・サービスの『DANCE TO YOU』がどういうアルバムなのか、僕なりにも、ちょっとここに書いておきたいと。

 

  これは、曽我部恵一が、様子のおかしい若者に戻ったアルバムです。

 

  曽我部恵一BANDでツアーしまくっている頃、確かシングル「魔法のバスに乗って」とアルバム『キラキラ!』の時だったと思うが、曽我部にインタビューしたら、今の自分がやっているのは、いち生活者としての音楽だ、と言っていた。

  こうして東京で生活していて、働いていて、家族を養って生きている、その毎日から出てきたものであると。

  ワークソングだったり、ライフタイム・ソングだったりする、ということですね。で、ヒップホップからの影響等もあるし、具体性のあることを歌いたい、直接生活や人生に響く言葉を歌いたい、と。

  だから、かつてサニーデイ・サービスでやっていたのは、もっと青春的で、抽象的で、叙情的なものであった、と言ってはいなかったが、まあそういうことになるのだと思う。

  なお、今調べたら、『キラキラ!』は2008年の春リリースで、サニーデイが再結成したのはその年の夏、RISING SUN ROCK FESTIVALで、だった。

 

  で。そのようなソカバンの、あるいはソロのカウンター的な表現として、思春期的で、抽象的で、叙情的な音楽を、サニーデイ・サービスで……ちょっとこのあたり言い方が雑だけどかんべんしてください。とにかく、サニーデイをそういうものとして始動させていたのか、というと、一概にそうは言えないと思う。

 『本日は晴天なり』と『Sunny』の2枚は、そういうところもあったけど、そうじゃないところもあった。

 そして、この『DANCE TO YOU』で、本当にそういうものになった、という。カウンターとかいうよりも、本当にそういう人に戻った、というか。

 

  試しに、『本日は晴天なり』『Sunny』と『DANCE TO YOU』を続けて聴いてみると、よくわかる。びっくりする、音の質感から何から何までが違って。

  『DANCE TO YOU』は、最初にいっぺん完成させたアルバムをボツにしたところでレコーディングの予算がなくなって、曽我部がリハスタ個人練習パソコン持ち込みレコーディング(つまりそのへんの中高生以下みたいな状態)で作り上げたアルバムなので、音質や音の触感が違うわけだが、でも、歌っていること自体、描いているもの自体も、大きく違うと思う。

 

  「これは、曽我部恵一が、様子のおかしい若者に戻ったアルバムです」とさっき書いたが、曽我部さん、44歳なわけで、3児の父でもあるわけで、有限会社スタジオ・ローズの社長でもあるわけで、「若者に戻る」といっても、頭ん中が戻っただけで、立場としては、戻れない。

  という状態って、いち生活者として、はたしてどうなのかと考えると心配にならなくもないが、ただ、そんなようなことによって『DANCE TO YOU』がすごい吸引力を持つアルバムになっているのは事実だと思う。

  そうだ。曽我部ってヤバい奴なんだった、ということを思い出した。

  いや、長い付き合いの中で、彼に失礼なことをされたり、イヤな思いをさせられたりしたことは、僕は一度もない。そういうヤバい奴じゃなくて、表現者としてヤバい奴、ということです。

 

  あと、俺も人の心配していられるような状態じゃねえ。というのもあります。

  だから、よりいっそうこのアルバムが刺さるのかもしれません。

7/30・31『ABEDON50祭』のニュース原稿

  7月30日(土)・31日(日)山形市総合スポーツセンターにて行われた、ユニコーン恒例・メンバーが50歳になるとその人出ずっぱりでイベントをやる企画、そのオーラスを飾るABEDON編。その模様を、所属レコード会社が各ウェブ媒体等に一斉発信するニュース原稿として書く仕事をいただき、山形に行って、書いてきました。

  で、BARKS等あちこちで取り上げていただいてからもうずいぶん経つのでそろそろいいかな、ということで、こちらにもアップしておきます。

未読の方、よろしければぜひ。

  あ、BARKSの方には写真も多数アップされています。

  こちらです。

www.barks.jp

  じゃあこのBARKS読んでいただけばそれでいいじゃねえかって話ですが、保存しておく意味でも、以下、一応貼っておきます。

  出演者もセットリストも2日ともまったく同じ、でも2日それぞれレポを書いてほしい、と現場で言われた時は、「ええっ!? どうしよう」と思いましたが、自分としては、同じ内容であってもなんとか違うふうに書けるもんなんだな、と、書き終わってから 思ったのですが。

  いかがでしょうか。大丈夫でしょうか、これ。

 

 

1日目:7月30日(土)のレポ

 

  7月30日(土)山形市総合スポーツセンターにて、ユニコーンのライブイベント『ABEDON 50祭 サクランボー/祝いのアベドン』が開催された。このイベントは同所で2日間行われるもので、30日はその1日目。ユニコーンのメンバーが50歳の誕生日を迎えるごとに開催されてきたイベント・シリーズで、メンバー内で最年少であるABEDONの地元・山形で行われた今回でしめくくりとなる。

  ABEX GO GO、ABEDON and THE RINGSIDE、氣志團ユニコーンの4アクトが出演。チケットは即日完売、全国23ヵ所の映画館で生中継でライブ・ビューイングが行われ、大勢のファンが集まった。

 

  トップのABEX GO GO は、ABEDONがユニコーン解散後にSPARKS GO GOの3人と結成したバンドで、現在ではこうしたイベントの時など、数年に一度のペースでライブを行っているレアな存在。デビューシングルである「おせわになりました」など5曲を演奏、ファンは歓声で応えた。

   二番手のABEDON and THE RINGSIDEは、ABEDONと奥田民生SPARKS GO GOの八熊慎一、斎藤有太、木内健のいつもの盟友からなるバンドで、6月3日にソロアルバム『Feel Cyber』をリリースし、全国ツアーを行ったばかり。アルバムのタイトル曲「Feel Cyber」やABEDONソロの名曲「欲望」など5曲をプレイした。ABEDON and THE RINGSIDEとして山形でライブを行ったのは、このイベントが初となる。

  三番目の氣志團は、デビューアルバムからサードアルバムまでのバンド・プロデュースをABEDONが手がけてブレイクへ導いた、いわば愛弟子的な存在。このステージでは、往年の人気番組を模した『アベストテン』という企画を行った。

  綾小路翔は名司会者に扮し、氣志團のメンバーはバックバンドとなって、10位から1位までの曲を紹介していく。ユニコーン/ソロ/ABEX GO GOでABEDONが書いた曲から10曲を選び、それぞれを日本の有名ヒット曲風にアレンジ、ユニコーンのメンバーをはじめとする出演者たちがそのコスプレで入れ替わり立ち替わり登場して歌う、という内容で、超満員の会場は終始爆笑の渦に包まれた。

  綾小路翔は10曲中1曲でメインボーカルをとったが、氣志團の曲は1曲も歌わないままステージを下りた。

 

  トリのユニコーンは、前半でそれぞれのメンバーの50歳イベントの時に発表してきた曲を1曲ずつ披露。この『ABEDON 50祭』のために書き下ろされた新曲「RAMBO N°5」もライブ初公開。途中MCでは、奥田民生から「ABEDON! おめでとう! 氣志團もありがとう! 自分たちの曲を一曲もやらずに終わったけど(笑)」と会場の笑いを誘う。

  後半は「ひまわり」「WAO!」など、ユニコーン再始動後にABEDONが書いてきた曲が並ぶメニューで、本編のラストでは、TBS系ドラマ『重版出来』の主題歌になった「エコー」、そして「RAMBO N°5」と共にこのイベントに書き下ろされた「50/50」の2曲も、初めてライブで披露された。

  アンコールの「人生は上々だ」でABEDONは、90年代のユニコーンのアンコールの定番だったプレスリー風の衣裳に身を包んで客席のアリーナ後方から登場。フロアを縦断してもみくちゃになりながらステージにたどり着き、熱唱する。

  客席との掛け合いを延々と続けている途中、サプライズでバースデイ・ケーキがステージに。出演者と観客、全員で「ハッピーバースデー」を歌い、ABEDONがロウソクを吹き消し、盛大に50歳を祝った。最後にABEDONは「サンキュー山形! 俺の生まれたところ!」と絶叫、皆に感謝の意を伝えた。

  このイベントは翌日7月31日(日)にも、同じ出演者で行われる。

 

 

 

2日目:7月31日(日)のレポ

 

  7月31日(日)、ユニコーンABEDONの生誕50周年を祝うライブイベント『ABEDON 50祭 サクランボー/祝いのアベドン』2デイズの2日目が、彼の地元・山形市総合スポーツセンターにて行われた。ユニコーンはメンバーが50歳を迎えるたびに、それを祝うという体で、本人が出ずっぱりでパフォーマンスし続けるイベントを行っており、今回がそのしめくくりとなる。

  ABEDONとSPARKS GO GOのメンバーからなるバンドであるABEX GO GO、ソロ活動の仲間であるバンドABEDON and THE RINGSIDE、氣志團、そしてユニコーンの4アクトが出演。チケットは即日完売。全国23ヵ所の映画館で生中継のライブ・ビューイングも行われたため、1日目も2日目も本番中にメンバーが「押すとヤバい、生中継が途中で終わる」などと気をもんだりする一幕もあったが、無事両日とも最後まで中継された。

 

  トップはABEX GO GO 。ABEDONがピアノ弾き語りで歌い始め、八熊慎一(Vo&Ba)がそこにハモリをつけていく「夕立ち」でスタート。ABEDONと八熊慎一のツインボーカルが活きる骨太なロックンロール全5曲でファンを魅了した。

  途中のMCでABEDONは、「ちょうど10年前に山形でやりまして、また10年後の今日、ここでやりました」と発言。2006年に40歳を迎えたのを記念して、横浜・大阪・山形でイベントを行い、出演した奥田民生川西幸一と共に行ったセッションの感触がとてもよかったことが、ABEDONがユニコーンの再結成を考え始めるきっかけになったことを知るファンたちの間に、感慨深い空気が流れる。

  二番手のABEDON and THE RINGSIDEは、モハメド・アリからアントニオ猪木に受け継がれた入場テーマ「炎のファイター」に「アベドンバイエ!」と歌をのせたSEが響く中、メンバーの奥田民生SPARKS GO GO八熊慎一、斎藤有太、木内健がまず登場。続いてガウンに身を包みチャンピオンベルトを巻いたABEDONがオンステージ。

  6月3日にリリースされたばかりのソロアルバム『Feel Cyber』のタイトル・チューンでスタート、八熊慎一がダンボールを叩く「欲望」のアコースティック・バージョン以外の4曲は、すべて『Feel Cyber』からプレイ。ラストの「不思議は不思議」ではイントロで大きなハンドクラップが起き、サビではオーディエンスの腕が大きく左右に振られた。

  デビューアルバムからサードアルバムまでのプロデュースをABEDONが手がけた氣志團が、三番目のアクト。「音楽すべての師匠」「返しても返しきれない恩があります」などと、メンバーがABEDONを語る映像に続いて始まったのは『アベストテン』という企画だった。

  氣志團メンバーがバックバンドを務め、綾小路 翔は名司会者に扮して、10位から1位までの曲を紹介していく。ユニコーン/ソロ/ABEX GO GOでABEDONが書いた曲から選曲、それぞれを日本の有名ヒット曲風にアレンジ、ユニコーンのメンバーをはじめとする出演者たちがそのコスプレで登場して歌う、というもの。

  1日目も同じ内容だったが、前日に失敗した箇所が今日は成功した者あり、逆に前日はうまくいったのに今日はミスった者あり、前日言わなかったアドリブをぶちかまして大ウケするものありで、場内は終始爆笑に包まれた。

 

  トリのユニコーンは、前半でそれぞれのメンバーの50歳イベントの時に発表してきた曲を1曲ずつ披露するという、全員の『50祭』を総括するメニュー。この『ABEDON 50祭』のために書き下ろされた新曲「RAMBO N°5」も1曲目でライブ初公開、全員ミュージックビデオそのままの扮装で歌い踊る。

  後半は「ひまわり」や「WAO!」など、ユニコーン再始動後にABEDONが生み出してきた曲たちが並ぶセットリストで、本編ラストでは、TBS系ドラマ『重版出来』の主題歌「エコー」と「RAMBO N°5」と共にこのイベントのために書き下ろされた「50/50」の2曲を、初めてライブで披露。「50/50」の「君と僕はそう ふたつでひとつ そして僕たちは いつつでひとつ 新しい今を うたおう」というリリックが感動的に響きわたった。

  アンコールの「人生は上々だ」でABEDONはプレスリー風の衣裳に身を包んで1F客席後方から現れるという、山形ではおなじみの登場。前日は右後方からだったがこの日は左後方から客席をつっきってフロア後方のお立ち台まで到達、「しーあわせ! しーあわせ!」とコールを求めながら、山形の花笠に入った「幸せ」(紙吹雪)を盛大に撒く。

  そして「幸せ」を撒きながらステージまでたどり着く。ほぼ曲を歌いきり、最後のブレイクのところで客席に「おまえたちのしゃべりを聞かせてくれ!」と「脱げ!」コールを求め、それに応えてプレスリーの衣裳を脱ぐとその下にはブルース・リーの黄色いジャンプスーツが。ヌンチャクを振り回し、手島のマイクスタンドに付いたピックを飛ばしたり、メンバーにモミアゲを貼って回ったり、今日が最後だというピンスポット担当の照明スタッフに50歳記念の超特大ABEPELLI(ABEDON人形)をプレゼント(前日は7列30番の席のお客さんにプレゼント)するなど、自由の限りを尽くす。

  そしてそのまま曲に戻ろうとするも、奥田民生にストップをかけられる。「昨日の今日だから、きみにも何かあるよ」。前日はサプライズでバースデーケーキのプレゼントがあったが、この日は愛弟子=氣志團から、シャンパンタワーならぬABEDONビール(地元の月山ビールとコラボして作られた)タワーが贈られる。綾小路 翔に無理やり勧められ、「ランランルー」のコールに答え、3杯のビールを飲みしてからようやく曲を再開、エンディングまで走り抜けた。

  ABEDONが去ったあと、メンバー4人はステージを数度横断しながらオーディエンスに手を振り、感謝の意を伝えた。

 

  この日の模様は9月30日(金)21:00から、フジテレビNEXTライブ・プレミアム/フジテレビNEXTsmartにてオンエアされる。

  ユニコーンは8月10日に約2年5ヵ月ぶりとなるニューアルバム『ゅ 13-14』をリリース、9月3日(土)東京・府中の森芸術劇場どりーむホールから、追加公演含め全34本の全国ツアー「ユニコーンツアー2016 『第三パラダイス』」が始まる。

2016年のフジロック雑感

 ※ライブレポ的なこととか、今年のフジの総論的なことは書いておりません。そういうのをご期待の方は、ここで読むのをやめることをおすすめします。

 

   フジロック、今年も3日間行きました。金曜早朝に出発、3泊して月曜の昼すぎに東京に戻ってくるスケジュール。

  レンタカーを借りて、自分が行くついでに、ロッキング・オン誌のライブ撮影で現場に行くカメラマンふたり、岸田哲平と三島タカユキさんを乗せて行って、乗せて帰る。

  僕は普通にチケットを買って行っている、つまり仕事要素はゼロなんだけど、なんか去年と今年はそんなようなことになった。

 

 事前に周知されていたとおり、「うわ、人多い!」という年だった。1日目よりも2日目、2日目よりも3日目がそうだった。3日目、チケットがソールドアウトしていたが、確かに「ここまで混んでるの、何年ぶりだろう」と思うレベルだった。

 20周年だし、ブッキングよかったし、何よりもフジが今後も続いていくためにはとてもいいことなので、素直にうれしく思う。

 

  ただし。そういう年、参加者として僕はどうなるかというと、「その中でなるべくつらい思いをしないためにはどう行動すべきか」ということを最優先するようになる。

  たとえば。トイレはとにかく早めに、なるべく奥地で並ぶとか。今年なら、オレンジカフェの奥、ストーン・サークルとカフェ・ド・パリの間のトイレ。しまいにはそこまで尿意を覚えてなくても「ここまで来たから行っとこう」みたいな逆転現象になる。今年は涼しかったせいでトイレが近かった、というのも大きい(暑いと汗かくので出なくなるのです)。

  たとえば。3日間の間に1回、ドラゴンドラに乗って「DAY DREAMING&SILENT BREEZE」まで行くタイミングは、「下界が混む日時」と「下界で自分がどうしても観たいものが少ない日時」のふたつの要素込みで事前に考えて決定しておく、とか。

 たとえば。ここは間違いなく混む、というのが、絶対自分もマストで観たいものでなければ、その時間帯はそのあたりに近づかないようにして、早めに移動しておくとか。

 ただ、「入場ゲート方向からグリーンに入ってすぐのあたりの後方通路、混んでる年の人気アクトの時は、その場で立ち止まってライブを観る人たちで埋まっちゃって身動きとれなくなるから通らないようにする」というのを、今年、うっかり忘れていた。

 2日目のベックが始まった頃、思いっきりそこにはまってしまい、「しまった、そうだった! 当然こうなるんだった!」と、後悔しました。

 

  で、そういう行動をとり続けると、どうなるかというと。

 「観たかったけど観なかった」「そしてあとで『ああ、観ればよかった!』と後悔する」ということが、多くなるわけです。

 まあ、同時に、それだけ今年はいいアクトが多かった、ということでもあるが。

 

 たとえば3日目ホワイトのロバート・グラスパー、BABYMETALの前だから、その時間そのあたりに近づいたらえらいことになる、と思ってあきらめたのだが、あとで「よかった!」と書いてる人のツイートとかブログとかを見て、「ああ、やっぱり観るべきだったなあ」とか。

 3日目グリーンのトリのレッチリとクロージング・アクトの電気グルーヴの間、さっとホワイトに行けばバトルスちょっとは観れたんだけど、「通路とか絶対混みまくる」「そして3日目のこの時間で俺は大変に疲れている」ということで、グリーンでじっとしていて、あとでカメラマン岸田哲平に「よかったですよー!」って話をされて後悔するとか。

 そんなようなことを、終わってから何度も思うわけです。

 要は、自分が絶対に観たいものの軸だけが残る感じというか。それしか残らないというか。

 まあでも、それだけ観たいものがあったんじゃねえか、という段階で幸せですが。

 

 それに、『GETAWAY』出たばかりのこのタイミングでレッチリを観れたことと、その直後のクロージング・アクトが電気グルーヴだったこと、そしてその両方がすばらしかったということで、よしとします。

 特に電気。昔から大好きなこともあるし、最近ちょこちょこ電気まわりの仕事をさせてもらっていることもあるが、20周年のこのワクが電気、しかもああいうライブ(前半最近の曲で後半ダンス・トラック連打、シメに「N.O.」「富士山」やってアンコールで「Shangri-La」「虹」)というのは、かなりくるものがありました。

 

 あと、自分は「こないだライブ観たばかりだからフジではいいや」ということができない奴なんだなあ、ということが、改めてわかった。

 観たばかりなんだから、その時間は違うものを観ればいい、という考え方ができない。「こないだ観たらすげえよかった、フジではどうなるんだろう、観なきゃ」というふうに思ってしまう。

 Tha Birthday然り。BO NINGEN然り。在日ファンク然り。D.A.N.に至っては、その2日前に観たばかりだった。というか、電気だって12日前に観たばかりだったし、リキッドルームで。

 でも結局後悔してないが、そちらを選んだことを。

 

  あと、フジは時期的にギリセーフだったが、これ以降に開催されるロックフェスはすべて「ポケモンGO禁止」にした方がいいと思う。

  僕はポケモンGO否定派ではないが、むしろ「始めたら最後はまりすぎてえらいことになるのが目に見えているから俺は手を出さない」と決断している時点で肯定派だと思うが、でも、フェスのいろいろに支障をきたしそうで、とても心配です。

 難しいだろうけど。スマホを何かに向けてるからって、ポケモンGOやってるとは限らないし。

2016年7月12日火曜日、電気グルーヴ @ リキッドルームのライブについてちょっとだけ書く

  電気グルーヴ、毎年この時期恒例、リキッドの周年ライブシリーズ(今年は12周年)。

  オープニングのゲストは岡崎体育。アルバム時に日刊SPA! でインタビューさせてもらって、ライブも観たかったんだけどいつもタイミングが合わず、ようやく観れました。期待どおりのおもしろさ楽しさだったのに加え、PC1台で出しているにしては音がいいなと思った。

 

  で、電気。昨年末のCOUNTDOWN JAPANのステージは曲間なしのノンストップ、今年3月の大阪・東京のZeppでの『お母さん、僕たち映画になったよ。』 も、アンコールを除きノンストップだったが、このリキッドもそうでした。

  で、最高でした。構成もパフォーマンスも曲の並びも選曲そのものも、もう何もかも。

 

  リキッドの周年ライブはいつもこの時期、つまり夏フェスシーズン突入直前で、電気、以前は「フェスではやらない曲を」と、コアな選曲で臨んだりしていたが、今年のこれはどうなんだろう。確かにまあ、“Shangri-la”“N.O.”“富士山”あたりの、フェスでどかーんとウケるような代表曲は入ってなくて、コアっちゃあコア寄りなセットリストだったけど、でも、今年のこれならそのままフェスでやっても超盛り上がるんじゃないか。今年の夏、電気が出るフェス、フジロックにライジングにWORLD HAPPINESSだし。

  特にフジロック、3日目のグリーンステージのクロージング・アクトだし、あそこでこのライブやったら最高なのでは、と思った。そうじゃないライブだったとしても最高だろうけど。というか、20周年のフジのグリーンに立つクロージング・アクトが電気、という時点で、とうに最高なんだけど。

  とにかく、いっそう楽しみになりました。

 

 

  あ、先に書いた、日刊SPA! の岡崎体育のインタビュー、こちらです。

nikkan-spa.jp

フラワーカンパニーズ『47都道府県ワンマンツアー 夢のおかわり2016』前半戦ファイナル、7/9(土)那覇セントラルのセットリストなど

1 消えぞこない

2 はぐれ者讃歌

3 切符

4 チェスト

5 煮込んでロック

6 NUDE CORE R&R

7 夜空の太陽

8 星に見離された男

9 無敵の人

10 唇

11 青い吐息のように

12 東京ルー・リード

13 真赤な太陽

14 夢の列車

15 三十三年寝太郎BOP

16 マイ・スウィート・ソウル

17 終わらないツアー

18 YES,FUTURE

 

アンコール1

19 Good Morning This New World

20 ロックンロール

21 俺たちハタチ族

 

アンコール2

22 深夜高速

23 真冬の盆踊り

 

  フラワーカンパニーズ、1年かけて47都道府県をワンマンで回るツアー『夢のおかわり2016』、その前半戦のシメ、7月9日土曜日那覇・桜坂セントラルは、以上のようなセットリストでした。

  全体に、これぞツアー前半の集大成といっていい、隅々までウィークポイントなし死角なしの、大充実なライブ・パフォーマンスでした。

 

  ただし、圭介の最初のMCを除く。1年前に沖縄に来た時、ライブの翌日、飛行機まで時間があったのでみんなで海に行った時に思ったことをしゃべろうとしたのですが、うまい具合に伝わらず、フロア、なんともいえない微妙な空気になる。

  で、それでもしゃべり続けようとして、グレートに「おいっまだ続けるんか、こんな空気なのに!」と制止されていましたが、ちょっとフォロー。私がグレートでも制止したでしょうが、圭介、そのことを1年前にフラカン公式サイトのブログに書いていて、それを読むと何が言いたかったのかわかります。

  こちらです。http://6109.jp/flowercompanyz/?year=201506

 

  要は、「海水浴ってそもそも何?」と思った、ということです。

  運動としてちゃんと泳ぐとか、シュノーケリングで魚を見るとか、子供が浮き輪やゴムボートで遊ぶとかいうのはわかるけど、おっさんがただ水に浸かってじっとしてるだけってなんなの?

  と、浸かってしゃべってわははと笑っているグレート・小西・その高校の同級生2人を岸から見て、改めて考えた、という話です。

 

  というか、その時、陸に残っていたの、圭介と竹安とQ太郎と私の4人だったのですが、Q太郎は食料などの買い出しでいなくて、竹安はせっまいベンチの幅に器用に身体を収めて熟睡、なので圭介と私のふたりで、海の中のおっさん4人を遠目に見ながら、そんなような話をしていたのでした。

 

 「あれ、温泉だよねえ」

 「ほんとだよね」

 「兵庫さん泳がないの? 海パンないの?」

 「いや、一応持ってきてるんだけど、なんかねえ、泳ぐ気にならない」

 「海に入るのあんま好きじゃないの?」

 「や、そんなことない。シュノーケリング好きだし、ずいぶんやってないけどスキューバダイビングのライセンスも持ってるし……あ、そうか」

 「何?」

 「だから、何も目的なく『ただ海に浸かる』っていうのがイヤなんじゃない? 俺」

 「ああ、なるほど」

 

   というような会話だったのでした。

 

   なお、去年は、フラカンも私もライブ翌日の東京に帰る飛行機、遅めの時間の便をとったのですが、今年は特に示し合わせることもなく、お互い早い時間の便でした。