兵庫慎司のブログ

音楽などのライター、兵庫慎司のブログです。

7/13(月)電気グルーヴ@リキッドルーム、の忘備録

 リキッドルーム11周年を記念してのシリーズイベント。確か去年も出たし、電気がこれに出てリキッドでライヴやるの、恒例になりつつあります。

というわけで、何かリリースがあったわけでもないし、電気にとって何か大きな意味合いを持つライヴでもないし、かといって夏フェスの前哨戦かというと「夏フェスじゃやらないような曲をやる」ことが主軸になってるし(去年もそうでした。ちなみに今年はMCで、夏フェスに『参戦』という、すっかり一般化している言い方への、石野卓球さんからのディスもありました。共感しました)、リキッドとファンへのサービス、みたいな意味合いが強いライヴだったのだと思います。

以下、印象的だったことなど、箇条書き。

 

・今年のオープニングアクトは黄倉未来という男。ここで文字で具体的にお伝えすることが、本人にとっても私にとっても観ていたお客さんにとってもそれ以外にとっても、つまり誰にとっても得にならない、そんな言葉の数々を自作のトラックにのせて歌ったりしゃべったり叫んだりするパフォーマンスを20分強披露。とりあえず、爆笑しました。そして、こんな形の電気(人生かも)チルドレンっているんだな、と感心したりもしました。

そのあと出てきた卓球によると、人生の最初のソノシート「9 TUNES FOR MIRAI」のジャケだか内ジャケだかに、当時3歳だった彼の写真を掲載、という付き合いだそうです。卓球曰く「彼は今、楽屋で首を吊っています」。

 

・セットリスト。確かに “Shangri-la”“N.O.”“富士山”“虹”あたりのフェスでやりそうなアンセムはなし、そしてレア曲多し。特にレアだったのは卓球ソロの“Stereo Nights”やアンコール1曲目でやった“エキゾティカ”、曲の後半で卓球がベースをかき鳴らしてノイズ出しまくった“弾けないギターを弾くんだぜ”など。

にしても、“Stereo Nights”って電気でやったことあったっけ? 終演後マネージャー道下さんにきいたところ、20周年(なので2009年)のリキッドのライヴでやったのが初めてで、今日が2回目だそうです。

ああ、あの、卓球がもんのすげえ長くしゃべって3時間50分くらいになって、お客さん疲れ果てて、1回目のアンコールが終わった時マジで誰ひとりダブルアンコールを求めるハンドクラップをせずに帰った時だ。

当時のライヴレポを探してみました。ありましたが、セットリスト載せてない上に“Stereo Nights”をやったことにひとことも触れてなくて、ちょっとどうかと思いました。

こちら。http://ro69.jp/live/detail/22632

 

・個人的にうれしかったのは、“Nothing Gonna Change”や“FLASHBACK DISCO”あたりの曲を後半のピークタイムに持ってきてくれたこと。あと“ポケットカウボーイ”“キラーポマト”“かっこいいジャンパー”“スコーピオン2001”“誰だ!”あたりもうれしかったし、“Missing Beatz”“Slow Motion”“電気グルーヴのSteppin’ Stone”“Fallin’ Down”“Baby’s on Fire”なんかの最近の曲も……結局全曲挙げちゃいそうなのでやめます。

 

・これ、ライヴに通うファンはみんなわかっているだろうが、

ステージ上におけるピエール瀧の真価は、歌うとこが少ない曲であればあるほど発揮される。

ということを、改めて強く認識しました。その意味でのピークは、中盤の“スコーピオン2001”“テクノポリス”の連打、のあたりでした。

 

・アンコールまで含めて全19曲で2時間ちょっと、MCも適度、と去年も思ったが去年よりもさらにタイトだった気が。あの2009年の3時間50分ライヴの地獄絵図のようなことはもうないのか、と思うと、ちょっと寂しい気もしなくもない。

あ、でも、瀧が「振り落とされてくださいねー、付いてこれなくていいですからねー」と言うほど、あっちゃこっちゃにネタが飛び散る卓球のあのMC。私、これまで、フロアの中でトップレベルでちゃんと付いて行っている自信があったのですが、今年は過去最高に振り落とされました。「トワイロ。ニューヨークのクラブ」くらいまではなんとか付いて行けたのですが、そのあとが……。なんか無念。

 

・後半……アンコールの時だっけ、卓球、客席にしゃべりかけたら目をそらされ、「目ぇそらされた! 普通『目が合った!』とか言って喜ぶもんだろ!」と怒る。大笑い。

 

・同じくアンコールの時、卓球、プラスチックか何かでできた陰茎を股間に装着して登場。それをネタにひとしきりしゃべったあと、今日この場で「石野卓球」から「おちんちん」に改名することを宣言。

 

・アンコール後、ドキュメンタリー映画『DENKI GROOVE THE MOVIE? ~石野卓球ピエール瀧~』の告知映像が流れました。監督は大根仁。当初夏公開と言っていたが12月になったことも知らされました。

すんごいおもしろそう、この告知映像を観ると。フロアにもすごくウケていた。楽しみです。