『CHOCOLAT & AKITO MEETS THE MATSON 2』について
SPA! の「Music」コーナーで大きく取り上げられていたり(3/8号)、リアルサウンドに小野島大さんによるインタビューがアップされたりしている(こちら http://realsound.jp/2016/03/post-6622.html )、ショコラと片寄明人が、ジョン・マッケンタイアを通じて知り合った(らしい)、ロサンゼルスのTHE MATSON 2と一緒に作ったアルバム『CHOCOLAT & AKITO MEETS THE MATSON 2』。
すっごくよくて、最近こればかり聴いている。
そのリアルサウンドのインタビューによると、THE MATSON 2から送られてきたトラックにメロディをのっける、という方法で「一緒に作った」作品らしい。
9曲入りで、1曲インスト、1曲英語詞、あとの7曲は日本語詞。英語詞の曲は、THE MATSON 2と実際に会って一緒に作ったそうで、その時彼らから「英語の歌にしたい」というリクエストがあって、そうしたという。
で。英語詞の曲もインストもすばらしいんだけど、やはり、日本語詞の7曲のほうに、より強く、耳を奪われる。
その異常な洋楽愛&洋楽知識を考えると、英語詞で歌うほうが自然なタイプのミュージシャンに思えるし、現に同世代だったり仲間だったりのミュージシャンたちはそうしていたのに、その中で、ロッテンハッツ時代から日本語で歌うことにこだわってきた(ように僕には思える)片寄明人が今綴る歌詞、「すごいレ ベルまで到達したら簡素化した」みたいなことになっている。
基本的に、一貫して「生きることと死ぬこと」に向き合う歌詞を書いてきた人であり、それはこのアルバムでも変わらないが、2曲目の「Nothing to Fear」なんて、もう、その究極だと思う。
こ う生きたい、こう暮らしたい、こう考えたい、こう感じたい、という理想を、シンプルに綴っているだけなのだが……そう、「だけ」っていうくらい、一見誰にでも書けそうなほど平易な言葉で書いているのだが、確かにそうだな、理想だな、まるで解脱したあとみたいだな、仏様みたいだな……あれ? 何? じゃあこれ、死後の世界の歌? みたいなことまで、グルグルと考えてしまう、聴いていると。
ショコラとの歌い分けやハモリ、トラックとの共存のしかた、メロディに言葉をのっけた時の響き方、抑揚など、もういちいち「うわあ、ほかにないよなあ、こんな音楽」とつくづく思う。
CHOCOLAT & AKITO MEETS THE MATTSON 2
- アーティスト: CHOCOLAT & AKITO MEETS THE MATTSON 2
- 出版社/メーカー: RALLYE
- 発売日: 2016/03/02
- メディア: CD
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