2017年4月22日土曜日、フラワーカンパニーズ7回目の日比谷野外大音楽堂ワンマン
日本武道館公演を発表した前回から2年ぶり7回目、フラワーカンパニーズ日比谷野外大音楽堂が4月22日に行われた。
開場ちょっとあとに雨が降り始めて終演後まで降り続き、メンバーはMCのたびにそのことを残念がったりお客さんを心配したりしていたが、小降りだったし、しっかり雨対策ができているお客さんが大半だったので、つらい空気にはならなかった。
雨が降り始めると同時に、雨具を着たり荷物をビニール袋に詰めたり、一斉にきびきび動き始めるお客さんたちの姿に「さすがフラカンファン」とか「フジロックレベルだなこれ」とか思いました。
で。武道館をやったことが大きいのか、この日比谷野音は、いつもライブに来てくれる人のために、聴き慣れた定番以外の曲を多くやる、懐かしい曲からも選ぶ、もちろん新しい曲もやるがおなじみの流れとは異なる曲順にトライする、そういうライブとして位置づけられていたように感じた。
ツアー『フラカン28号』自体が、ちょっとそういう「久々な曲もやります」な感じになっているが、それをさらに押し進めたような。1曲目、アンコールの定番曲「真冬の盆踊り」で始まったし。
以下、セットリスト。
1 真冬の盆踊り(15thシングル 2002年/8th『発熱の男』2003年)
2 脳内百景(11th『脳内百景』2006年)
3 三十三年寝太郎BOP(ミニアルバム『夢のおかわり』2015年)
4 Mr.LOVE DOG(4th『マンモスフラワー』1998年)
5 チェスト(13th『チェスト!チェスト!チェスト!』2010年)
6 夜空の太陽(23thシングル/2013年)
7 すべての若さなき野郎ども(24thシングル『あまくない』2017年)
8 感じてくれ(15th『Stayin’ Alive』2015年)
9 口笛放浪記(9th『東京タワー』2003年)
10 あまくない(24thシングル『あまくない』2017年)
11 日々のあぶく(13th『チェスト!チェスト!チェスト!』2010年)
12 靴下(4thシングル 1997年/ベストアルバム『ヤングフラワーズ』1997年)
13 大人の子守唄(12th『たましいによろしく』2008年)
14 虹の雨あがり(4th『マンモスフラワー』1998年)
15 最後にゃなんとかなるだろう(24thシングル『あまくない』2017年)
16ホップ ステップ ヤング(4th『マンモスフラワー』1998年)
17 終わらないツアー(13th『チェスト!チェスト!チェスト!』2010年)
18 消えぞこない(ミニアルバム『夢のおかわり』2015年)
アンコール1
19 ハイエース(新曲)
20 とどめをハデにくれ(24thシングル『あまくない』2017年)
21 TEEN AGE DREAM(13th『チェスト!チェスト!チェスト!』2010年 ※初回限定盤のみ収録)
アンコール2
22 東京タワー(9th『東京タワー』2003年)
23 ロックンロール(14th『ハッピーエンド』2012年)
以上、僕も「あれ、この曲どのアルバムだっけ」って曲がいくつかあったので、そのへんも調べ直して( )で足しました。「靴下」のように、後にアルバム再発の時にボーナストラックで追加で収録されたパターンもありますが、そういうのはスルーしています。
しかし、こうして見直すと、いいセットリストですね、これ。
あと3つ。
・アンコールのTheピーズ「とどめをハデにくれ」のカバー、シングルではアコースティック・バージョンだけどこの日はバンド・バージョン。
とてもかっこよかったけど、圭介の歌い方が微妙にオリジナルと違うところが気になる、CDでもライブでも。サビの「思い切り深くダメ」の「思い」の入りが、はるさんの歌い方よりも遅いところとか。
で、それ、無意識らしい。というか、本人はそのとおり歌ってるつもりらしい。先日、フラカンのFC会報「痛快ブック」の対談でTheピーズのはるさんと会った時(次号に載ります)、「聴いたよ。ちょっと変えてんだね」と言われて「え? そのまま歌ってるつもりなんですけど、どこがですか?」とか言ってたし、圭介。
そういうもんなんですね。ボーカリストによって歌いグセの感覚が違う、みたいなことなんだと思います。
なお、この曲をやったアンコールでは、メンバー、Theピーズ6/9武道館応援Tシャツを着ていました。
ちなみにはるさん、観に来られていました(あとで自身のブログでもそのことを書いていた)。開演前に、「降ってきたねえ、ヤバいなあ、また俺のせいだって言われる」と漏らしておられました。
・ライブ後半で圭介、雨で濡れた床の上をだーっとヘッドスライディングしていた。たぶん2回ぐらい(だから服が濡れていたのです)。
それを見ながら、ああ、昔も雨降るとヘッドスライディングしてたよなあ、と思い出した。で、そういえば昔は、助走してゴロゴロゴロって回転してパッと立つ、というアクションもよくやっていたなあ、それ以外にもいろいろ激しく動いていたなあ、ということも思い出した。今でもよく動くボーカリストだけど、危ない動きはやらなくなった。子供の頃って転んでも大したことないけど大人が転ぶと大ダメージ、というのなんかと同じなのだと思う。
若い頃の圭介、アクションが激しすぎてケガばかりしていたし。デビュー前に原宿ホコ天でやった時、モニターかなんかに頭をぶつけて大流血したこともあった。そのあと川崎クラブチッタかどっかでも一回あった気がする、流血。
そもそも僕が初めてフラカンのライブを観た時も、唇の両端から出血していた。ハープを吹く度に強く口に押しつけすぎて血が出る、というボーカリストだったのでした、当時の圭介さんは。今調べたら、1993年9月21日の下北沢シェルターでした。
・アンコール一発目でやった新曲「ハイエース」が、ちょっとびっくりするくらいよかった。2004年に「深夜高速」を歌ったバンドが、その13年後にどうなっているのか、どんな気持ちで生きているのかをそのまんま、かつすばらしい言葉のチョイスで言葉にした歌詞といい、静かに始まって途中からドカーンとなる曲調といい(雑にたとえると真心ブラザーズの「素晴らしきこの世界」的な)、これ、フラカンの新しい名曲として育っていくと思う。
開演前に「今日新曲やるんですよ」と歌詞を見せてもらって、読んで、思わずテンション上がって「これいいじゃん!」と言ったら、グレートに「そうだよ。いいから今日やるんだよ」とひっくい温度で返されて、ちょっとしょんぼりしましたが。
それから。次の東京のワンマンは8月25日金曜日にリキッドルームで行うことと、それに間に合うかどうかわからないがそれくらいの時期のリリースを目指して、ニュー・アルバムを制作中であることが、発表になりました。