兵庫慎司のブログ

音楽などのライター、兵庫慎司のブログです。

バンドの復活や解散について、2017年6月に思ったこと

  もうアップされてけっこう経っていますが、DI:GA onlineで、SPARTA LOCALS安部コウセイ×フジファブリック山内総一郎×group_inou・imaiの鼎談というのをやりました。

  前後編あります。こちらです。

 

www.diskgarage.com

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  要は、7月22日に渋谷クラブクアトロSPARTA LOCALS仕切りのイベントがあって、その前アオリで、ゲストで出てくれるおふたりと語りましょう、ってことだったわけなんだけど、この話がとてもおもしろかった。

  特に、山内総一郎とimaiの口から出る、SPARTA LOCALS復活に関するコメントが。

  この1ヵ月前に、スパルタ復活について安部コウセイに訊くインタビューもやったのですが、その時よりも、何か私、納得させられるものがありました。

  あ、その安部コウセイのインタビューはこちら。

www.diskgarage.com

  山内総一郎とimai、おふたりともスパルタ復活について、捉え方が一致していた。あの、HINTOとドラマーだけ違うスパルタを再結成して、しかもHINTOを止めるわけでもなく、どっちも並行して活動していく、という状態に対して、おふたりとも、

 

「そういうこともあるよね」

「とにかく、スパルタの曲をまたライブで聴けるのはうれしいよね」

 

  というスタンスだった。

 

  それから、「そのバンドのことはそのバンドしかわからない」というのも、ふたりとも同じ見解だった。

  バンドマン同士だから俺たちにはわかるよ、ということではない。バンドマン同士だから、解散とか再結成とかに関するバンドの中のことはそのバンドにしかわからない、ということがわかるよ、という話だ。

  誰もが納得できる回答なんかない、というか。で、そんなのないんだから、外野がこだわってもしかたない、と。またスパルタの曲をライブで体験できることがうれしいかうれしくないか、それだけで判断して、観たければ行けばいいし、観たくなければ行かなければいい、と。

 

  って、ちょっと簡単に書きすぎか。ちゃんと読むと、おふたりとももっと深いことを言っているんだけど、まあ、ざっとまとめるとそんなようなことになる。

  で、今group_inouの活動を休んでいるimaiと、ギタリストだったのがボーカル&ギターになってフジファブリックを続けることを選んだ山内総一郎が言うと、それは説得力ありますよね。ありました、とても。

  安部コウセイ、喜んでました。やっぱりきみたちはわかってくれている!と。

 

  話をききながら、昔読んだ、ザ・ブルーハーツ時代の甲本ヒロトのインタビューを思い出した。

  曰く、みんな本当にブルーハーツを好きで、本当にブルーハーツのことを考えて、いろいろ言ってくれているのはわかるんだ、と。でも、誰よりも長い時間、誰よりも一生懸命ブルーハーツのことを考えているのは、ブルーハーツなんだ。だから、僕らにまかせてほしい、みたいな内容だった。

  で、それを読んだ時、「そらそうだよなあ」と素直に納得したことも、思い出した。

 

  6月2日に、plentyのラストツアー『蒼き日々』の初日、リキッドルームを観た。

  びっくりするくらいいいライブで、なんでこんなライブやれるのに解散なんだ、いや解散を決めたからこんなライブができるのか、いや、でも……と、相当に頭の中がグルグルなりながら、観ていた。

  その途中で、山内総一郎とimaiが言っていたことが、何度も頭をよぎった。

 

  だからすんなり納得して落ち着いた気持ちになれるのかというと、もちろんそんなことはないし、ラストの日比谷野音を観たら絶対また複雑な思いに包まれまくるだろうけど、もういいと。思うさま包まれてやろうじゃないかと。

  そんな気持ちになった、終わったあと。

 

  それから。もうひとつ思い出したこと。

  あれ1年くらい前だっけ、大槻ケンヂにインタビューした時の話。

 彼曰く、

「最近、若手のバンドから相談を受けたりして、バンドを解散したいと言っていても、止めなくなりました」

  なんで。どうせ絶対再結成するんだから、と。

 

「僕らもしたでしょ?」

  確かに。

  でもほんと、気がつけば、僕が高校生の頃から現在に至るまでの間で、ちゃんと成功したバンドで、再結成していないのって、BOØWYJUDY AND MARY、あとフリッパーズ・ギターぐらいしか思いつかない。あとはたいてい再結成している、確かに。

  あ、ヒロトマーシーみたいに、解散後に違うバンドで一緒にやっている、もしくは一緒にやったことがある例は除きます。あと、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTのように、再結成が不可能なバンドも除きます。

 

  とにかく。ユニコーンも、THE YELLOW MONKEYも、再結成はないと僕は思っていた。それ言ったら筋少だって、凍結した時のゴタゴタっぷり、けっこうなもんだったし、挙句 特撮でオーケン内田雄一郎がもめて内田さんやめちゃったし、「ここまでこじれたら筋少復活はないだろうなあ」と思っていた。

  ザ・ルースターズだって、大江慎也が戻って再結成なんて、ありえないと思っていた。

  ましてや、一時的な再結成とはいえ、bridgeがあの6人で再びステージに上がる日が来るなんて。

 Hi-STANDARDの時も、本当にびっくりしたし。

 

  じゃあ今後、たとえばSUPER BUTTER DOGが再結成する可能性はあるか、SAKEROCKはどうか、ELLEGARDENは? と考えたら、現時点では「全然ねえ」としか思えないが、ユニコーンだってイエモンだって「全然ねえ」と思っていたわけだし、僕は。

  ってことは、何があるかわからない、ということだ。

 

  plentyも、いつかあるかもしれない、と思います。

  いや、あると思います、くらい言っといた方がいいか。