続・バンドTシャツを着れない
前回のこのブログ、「バンドTシャツを着れない」ということについて書いたら、意外と好評だった。「知らねえよそんなこと」みたいに黙殺されるだろうな、でもいいや、書きたいから書こう、ぐらいのつもりだったので、うれしい誤算でした。
で、アップしたあとになって、「あ、あれ、書き忘れた」という件がふたつあるのと、アップされたのを読んだ人からツイッターで飛んできたリプライに関して言いたくなった件がひとつあるので、それについて書きます。
まずリプライの方。
「エレファントカシマシ30周年のファイナルの楽屋で、兵庫さんだけがご当地Tシャツを着ておられなかったというエピソード、これを読んで、そういうことだったのかと思いました」
というリプライが来たのですが、えーと、違います。
それ、3年半前にこのブログに書いたやつが元ネタだと思いますが(他にはどこにも書いてないし)、書いてあるとおり、そういう理由ではありません。
単に、持って行くのを忘れた、というか、「持って来い」と知らされてはいなかったけど、それぐらい察して気がつくべきだった、しまった、という話です。
こちら。
そもそも、スタッフTシャツ等の類いは、着たいとか着たくないとかいう以前の問題です。もちろん着ます、仕事なんだから。
そのへん保守的な性格なので、むしろ、着てない奴がいるとイライラする方です。
昔、ロッキング・オン社のフェスの部署にいた頃、運営チーム各社(企画制作のロッキング・オンから業務の委託を受ける形で多くの会社が集まっている)の中の某社の担当者が、なんのこだわりなんだか、現場で頑なに「CREW」Tシャツを着ない奴で、めちゃくちゃむかついたのを、これを書いたせいで思い出した。
で、前回書き忘れたこと、ひとつめ。
これ、大人計画のファンなら、気がついている人、けっこういると思う。
演劇の公演のパンフレットって、必ずと言っていいほど、その芝居の稽古風景の写真がいっぱい載っているページがあるものだけど、その公演に出ているグループ魂のメンバーの方々、ロッキング・オン社のフェスのTシャツを着て写っている確率が、とても高いのだ。ROCK IN JAPAN FESTIVALと、COUNTDOWN JAPANと、JAPAN JAM、そのいずれか。
一回や二回ではない。ひとりやふたりでもない。いつも誰かは必ず着ている、と言っていいくらいのレベルである。
要は、出演者はもらえるのですね。で、もらうとちゃんと毎回持って帰る人たちではあるが、グループ魂のメンバーも、今や全員50代、普段着るのもちょっとあれだから、稽古着になる、ということなんだろうな、と推測します。
あるいは、フェスTシャツって、観に行くのが好きな俳優とか芸人さんとかは喜んで着ていたりするけど、出る側=ミュージシャンは、普段、あんまり着ないものなのかもしれない。という気もする。
そして、前回書き忘れたやつ、ふたつめ。
近所のスーパーへ向かっていたら、正面から買い物袋を提げて歩いて来る男のTシャツに目が釘付けになった。
FRICTIONのTシャツを着ているのだ。
1980年のファースト・アルバム、通称『軋轢』のジャケットの、あの写真のやつ。
マジか! 売ってるのかこんなの! と、驚きのあまり、まじまじと見ていたら、「兵庫さん!」と声をかけられた。ちょっと前に、取材仕事で一緒になったカメラマンだった、着てたの。
彼、20代後半か30代前半くらいだと思う。その歳でFRICTIONのTシャツ、いいセンスだなあ、俺もほしいなあ、でも着れないしなあ……というのがきっかけで、前回のブログを書こうと思いついたのだった。
なのに、忘れたのだった、このことを書くのを。