ライブハウスは安全です
ライブハウスは安全です。
二度目の緊急事態宣言が一都三県で延長になった、2021年3月中旬現在でも、です。飲食店よりも、街中よりも、新型コロナウィルス感染の危険性は低いと思います、明らかに。
今、それくらい感染予防のためのオペレーションを徹底して、どのイベンターも、どのアーティストも、ライブを開催しているので。
2021年1月7日に、二度目の緊急事態宣言が出て以降、急遽開演時間を1時間とか2時間とか早めて終演時刻を20時までにしたり、それで来れなくなったお客さんにはチケット代を払い戻したり、でも多くのお客さんは、それでもなんとかがんばって都合をつけたりして、日々ライブは行われている(開催見合わせになったものもあるが)。
最初からイスがあるホールで、一席飛ばしで座るパターン。
ライブハウスの、普段はオールスタンディングのフロアにイスを並べて、一席飛ばしで座るパターン。
ライブハウスの、普段はオールスタンディングのフロアに、一席飛ばしくらいの間隔を空けて、イスを並べて、座るパターン。
ライブハウスの、オールスタンディングの床に、一席飛ばしくらいの間隔を空けて、席番を貼り付けて、その位置に立つパターン。
この4パターン、すべて体験したが、安全面で不安になったこと、一度もない。「ここまでしなくても安全では?」と思ったことはあるが。
で、立ち上がるのや、身体を揺するのはOKだけど、声を出すこと、立ち位置から離れることは禁止、というルールを、お客さんみんな、本当によく守ってライブを観ている。
バンドが何曲かやって、最初のMCの時、しゃべり出す前にギターのチューニングを直したりして、ちょっと間が空く時も、歓声、一切飛ばない。ちょっと不気味なくらい静か。
同じく、MCでメンバーがおもしろいことを言っても、誰も笑い声をあげない。シーンとしている。3月9日(火)にZepp Tokyoで観たヤバイTシャツ屋さんの時は、それでMCがスベってるみたいに見えて、気の毒やら、そのさまが却っておもしろいやら、でした。
その分、本来のキャパの半数以下の人数しかいないとは思えないくらい、拍手や手拍子は、すんごいボリュームで返ってくる。
で、終演後は規制退場なんだけど、たるいじゃないですか、待たされるの。勝手に出て行っても不思議はないじゃないですか。でも、ちゃんと待つのな、みんな。自分の列が呼ばれるまで。
要は、アーティスト側はもちろんだけど、お客さんも「ライブの現場を守らなくては」という意識が強いのだと思う。
自分の身をコロナから守りたい、という以上に、ライブという文化自体を守りたい。だから、ここで新たな問題が起きる危険性のあることはしない、自分ががまんすればすむことならそうする、という。
日本のお客さんはまじめすぎるとか、同調圧力だとか、そういうような捉え方もあるだろうけど、今のライブハウスのそんな状態を見ていると、「コロナとライブの問題」を「自分の問題」として受け止めている、いいお客さんばっかりだなあ、この国は。と、とても美しいものを感じます。
まあ、こういう状況でもライブに行く、という熱心な人たちだから、よけい当事者意識が高いのかもしれないが。
現に、昨年2月(感染発覚は3月)の、大阪のライブハウスの一件以降、ライブハウスでのクラスター、起きていない。というのは、アーティストとスタッフのがんばりゆえだが、そういうお客さんたちがあってこそ、だとも思う。
2021年1月は4本、2月は9本、ライブに行った。3月は15日までの時点で、5本。
というのは、同業者とかの中では、多い方なのかもしれない。まだみなさん、そこまでライブに行ってないかもしれない。SNSの感じとか、現場で出くわす知り合いの数(少ない!)とかを、見ていると。
じゃあ、俺が言った方がいいかも。と、気がついたので、以上の文章を、書くことにしました。
コロナ禍前なら余裕でチケット即完したサイズの会場で、入場者制限を半分以下にしても、売り切れない。というライブ、まだ、かなりある。ライブ業界に、お客さんが戻って来ていない。
まだ行くのをがまんしている、という人もいるだろうし、「コロナがきっかけでライブに行く習慣自体がなくなってしまった」という人もいると思うが、アーティストとスタッフとお客さんのがんばりのおかげで、今、ライブ会場、安全ですよ。
で、モッシュできなくても、歓声をあげられなくても、ライブってやっぱり、すばらしいですよ。でかい音を生で浴びるって、他の何にも替えがたい体験ですよ。ということは、言いたいです。
あ、さっき例に出したヤバTは、そんな状況でも、チケット、余裕で売り切れていた。さすが。
で、「笑い声なし」の件でもわかるように、そんなふうにお客さんのマナーがいいライブばかりの昨今の中でも、特によかったです。
そのレポはこちら。