兵庫慎司のブログ

音楽などのライター、兵庫慎司のブログです。

真心ブラザーズ「うみ」の歌詞が元に戻った

  2019年6月16日、真心ブラザーズの弾き語りツアー『東海道中歌栗毛2019』のファイナル、ヒューリックホール東京。

  レーベル配信のニュースレポのご依頼をいただいて、行って、書きました。

  あちこちのウェブサイトにアップされています。これはSPICEにアップされたものです。https://spice.eplus.jp/articles/242272

 

  で。そのレポの中でも触れている、ちょっとびっくりしたこと。

  デビューシングルの「うみ」を、アンコールでやったんだけど、1回目のBメロをYO-KINGは、

「君は僕の腕をつかんで 早くおいでよと言わんばかりに先を行くのさ」

  と、歌ったのだ。

 

  以前、このブログにも書いたが(こちらです http://shinjihyogo.hateblo.jp/entry/2017/01/10/202422 )、いつからかYO-KINGはこのラインを、

「君は僕の前を歩いて 早くおいでよと言わんばかりに先を行くのさ」

  と歌うようになった。数年前、いや、下手すると10年くらい前からかもしれない。

 「どか~ん」の「どか~んと景気よくやってみようよ」を、全部「どか~んと一発やってみようよ」に揃えて歌うようになったのは、まだなんとなく理由がわかるが(5文字より4文字の方がメロのハマりがいいとか)、こっちは謎だ。だって、「前を歩いて」だと、「先を行くのさ」と意味的にかぶっちゃってるじゃないですか。それに「腕をつかんで」の方が、彼女の急ぐ感じが、よく出てるじゃないですか。

  という僕の思いなどもちろん関係なく、YO-KINGは「前を歩いて」と歌い続けてきたわけだが、それが突然「腕をつかんで」に戻ったのだ。

 

  うわ! びっくり! でもよかった、だってやっぱり「腕をつかんで」の方がいいじゃんね、でもなんで今になって戻したんだろう、あ、そうだ、デビュー30周年セルフカバー・ベスト・アルバム『トランタン』をレコーディングしたから、って9月4日発売だから、もうレコーディング終わってるのかどうかは知らないけど、とにかく、そういうタイミングを機に戻したのかな。あのファン投票で選ばれた10曲の中に「うみ」も入ってたし。

 

  しかし。終演後の関係者あいさつで、YO-KINGに「『うみ』の歌詞のあそこ、元に戻したんですね!」と言ったところ。

 

「え? 何が?」

  は? 「何が?」って! だってほら、「腕をつかんで」って戻してたじゃないですか、ずっと「前を歩いて」って歌ってたのに。ねえ桜井さん!

「そうなの? 気がつかなかった」

 

  と、おふたりともまったく無意識だったのでした。下手したら、今回歌詞を戻したことに無意識だったのを超えて、ずっと「前を歩いて」と歌っていたことすら無意識だったのかも、くらいの感じで。なんなん?

 

  で。そのように歌詞が戻っていたことをツイートしたら、ライブを観ていて同じことに気がついた方が、(カンペの)歌詞を見ながら歌ったからそうなったのではないか、という、鋭い考察をツイートしておられて、「そうかもしれない」と、納得しました。なるほど。

  でも、こうなったらもう、『トランタン』を聴いたら「前を歩いて」と歌っていて、「本当になんなん!?」とさらに混乱させてほしいです。いっそのこと。